ベトナム戦争の真実を描いた感動作「ハンバーガーヒル」をご存知でしょうか。この映画は、1969年に南ベトナムで起こった激戦をリアルに再現した作品です。amazon primevideoで配信してましたので、何気に見てみました。この映画は、戦争の無意味さや残酷さを隠さずに、ありのままに描いています。また、戦争に巻き込まれた兵士たちの人間性や尊厳を感じることができます。この映画は、戦争を美化することなく、戦争を経験した者だけが言える「愚かな戦争だった」というメッセージを伝えています。そのメッセージを忘れてはなりません。グロテスクな映像もありますが、戦争映画としてみる価値があると思います。
この映画を見たきっかけ
私は正直ベトナム戦争についてあまり知らない世代です。ベトナム戦争といえば、アメリカが南ベトナムを支援して北ベトナムと戦った戦争だということくらいしか知りませんでした。この映画は、1969年に南ベトナムのエイショウ・バレーにある937高地でアメリカ軍と北ベトナム軍との間で繰り広げられた激戦を描いた作品です。この映画を見て衝撃を受けました。ベトナム戦争の真実とは何なのか、この映画はどのように描いているのか、ぜひ見て確かめてください。
この映画のストーリーと登場人物
この映画の主人公は、第101空挺師団に配属されたばかりの新兵ラングイリとその仲間たちです。彼らは、937高地を占領するために、北ベトナム軍と10日間にも及ぶ攻防戦に参加します。しかし、その戦闘は、まさに地獄のようでした。ジャングルの中で敵の機銃掃射や手榴弾攻撃にさらされながら、ぬかるんだ斜面を這い上がっていく兵士たちの姿は、見ていて胸が痛くなりました。兵士たちは、次々と命を落としていきますが、それでもなお、仲間のために、国のために、正義のためにと戦い続けます。最終的に、彼らは937高地を占領することに成功しますが、その代償はあまりにも大きかったのです。
この映画の見どころと感動したシーン
この映画の見どころは、戦争のリアルさと兵士たちの人間ドラマを見事に描いていることです。この映画は、戦争の悲惨さを隠さずに、ありのままに描いています。血まみれになった兵士たちの死体や、吹き飛ばされた肉片など、グロテスクな描写が多くありますが、それは決して過剰ではなく、現実に起こったことを忠実に再現しているのです。また、兵士たちの心情も丁寧に描かれています。彼らは、戦場での恐怖や苦悩、友情や愛情、希望や夢など、さまざまな感情を抱きながら生きていました。彼らは、戦争に疑問を持ちながらも、自分たちの役割を果たそうとしていました。彼らは、本当に勇敢で、尊敬に値する人々でした。
私が感動したシーンは、いくつもありますが、特に印象的だったのは、以下の二つのシーンです。
- 一つ目は、ラングイリが初めて戦闘に参加するシーンです。ラングイリは、戦闘前に仲間たちと写真を撮ります。その写真は、彼らが笑顔でポーズをとっている普通の写真ですが、その後の戦闘で彼らの多くが死んでしまうことを考えると、胸が締め付けられるような気持ちになりました。ラングイリは、戦闘中に仲間たちの死を目の当たりにしますが、それでもなお、彼らの遺体を守ろうとします。彼は、戦闘が終わった後に、仲間たちの写真を見ながら泣きます。彼の涙は、彼の無力さや悲しみや怒りを表していました。私も、彼と一緒に泣きました。
- 二つ目は、最後の攻撃で937高地を占領するシーンです。兵士たちは、最後の力を振り絞って敵の陣地に突入します。彼らは、敵の銃火や爆発にもめげずに、勇敢に戦います。彼らは、937高地の頂上にアメリカ国旗を立てます。彼らは、勝利を喜びます。しかし、その喜びは、やがて悲しみに変わります。彼らは、仲間たちの死を悼みます。彼らは、自分たちの傷を癒します。彼らは、自分たちの行為に疑問を持ちます。彼らは、戦争の意味を探します。私も、彼らと一緒に考えました
ベトナム戦争の歴史的背景や反戦ムードについての考察
映画「ハンバーガーヒル」は、ベトナム戦争の歴史的背景や反戦ムードについても、考察するのに適した作品だと思います。映画は、ハンバーガーヒルの戦いが起きた1969年5月を舞台にしていますが、その時期は、ベトナム戦争の最も激しい時期のひとつでした。1968年1月には、北ベトナム軍とベトコンが南ベトナム全土で一斉攻撃を仕掛けた「テト攻勢」が起きました。この攻勢は、アメリカ軍にとって大きな打撃となり、戦争の膠着状態を打破するきっかけとなりました。しかし、この攻勢によって、戦争の激化や長期化が明らかになり、アメリカ国内では、戦争に対する反対や批判が高まりました。1968年3月には、アメリカ軍がベトナムの村で無差別に虐殺を行った「ミライ事件」が発覚し、世界中に衝撃を与えました。1968年11月には、リチャード・ニクソンが大統領に当選し、ベトナム戦争の「名誉ある終結」を公約しました。しかし、その後も、戦争は続き、アメリカ軍の撤退は遅々として進みませんでした。1969年4月には、ニクソン大統領がカンボジアへの爆撃を命じ、戦争の拡大を招きました。これらの出来事は、アメリカ国内では、戦争に対する反戦運動や抗議活動を激化させました。1969年10月には、ワシントンD.C.で50万人以上の人々が集まり、ベトナム戦争に反対する「モラトリアム・デー」が開催されました。このように、映画の舞台となった時期は、ベトナム戦争の歴史的背景や反戦ムードを知るのに重要な時期です。
映画「ハンバーガーヒル」では、これらの歴史的背景や反戦ムードが、映画の中で、さまざまな形で表現されています。例えば、映画の冒頭では、ニクソン大統領の演説やニュース映像、反戦歌などが流れ、戦争の状況や世論の動向を示しています。また、映画の中で、兵士たちが、自分たちの戦闘の意味や目的を疑問視したり、戦争に対する不満や不安を吐露したりする場面があります。さらに、映画の終盤では、ハンバーガーヒルの戦いに勝利した兵士たちが、帰還する際に、反戦運動家やジャーナリストから非難や侮辱を受ける場面があります。これらの場面は、戦争の無意味さや矛盾、兵士たちの孤立や苦悩を強く感じさせてくれます。また、戦争の歴史的背景や反戦ムードについて、より深く考えるきっかけになります。
まとめ
以上が、私がAmazon primevideoで見た映画「ハンバーガーヒル」についての感想です。この映画は、戦争のリアリズムと悲惨さを描いた作品として、高く評価できると思います。また、若き兵士たちの人間ドラマと心理描写についても、興味深く見ることができると思います。さらに、ベトナム戦争の歴史的背景や反戦ムードについても、考察するのに適した作品だと思います。この映画は、戦争の中で生きる兵士たちの姿を、率直に、そして感動的に描いています。私は、この映画を見て、戦争の恐怖や苦しみ、無意味さや矛盾、人間の尊厳や友情など、さまざまなことを感じました。また、戦争の歴史や現実について、より深く知ることができました。この映画は、戦争に関する重要なメッセージやテーマを伝えてくれる作品だと思います。ぜひ見てみてください!
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