【原田 宗典】メメント・モリ【死を想え】

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メメント・モリ

原田 宗典の小説を読むのは、何年ぶりだろう。

この小説自体が10年ぶりの発行なのだから、当然のことか。

 

原田宗典の小説が、すごく好きだった。
初めて読んだのは、大学生の頃だったと思う。
「十九、二十(はたち)」を最初に読んだ。リアルにその年頃だった自分は、すごく共感できた小説だった。
青臭い小説だったけど、まさに青春小説という感じで、悩んでる自分と重ね合わせて読んだものだった。

「優しくって少しばか」、「時々、風と話す」も良かった。

小説を読んでから、エッセイも読むようになった。

「十七歳だった!」なんて思春期の男の気持ちが面白おかしく書かれてた。

小説とエッセイで印象が全く違うところも、氏の魅力の一つになっていたと思う。

 

東京壱組の座付き作家として、脚本も書いて劇団に関わってました。
本人にもとても興味があったので、神戸に公演に来たときに、見に行った。
芝居が始まる前に、世界最低会議と称して、前説的なこともされてましたね。

面白いフリートークだった印象がある。
舞台の内容も「分からない国」というボケ老人の話だったけど芝居の魅力が一杯につまってた。

そのころは、関西の小劇団を良く見に行ってたけど、東京の劇団ってレベル高いなぁと感心した。

そんな自分にとって思い出深い、原田宗典が、覚醒剤と大麻の所持で2013年に逮捕されたのはショックだった。
最近見ないなと思ってたら、こんなことでメディアで目にするなんて。
鬱で苦しんでいた見たいだから、苦しかったんだろうね。

 

精神的にきつくなって覚醒剤に手にするなんて、倫理的にはだめなことなんだろうけど
気持ちは分からないでもない。
瞬間的にでも、逃げ出したいんだ。

 

死を意識した小説

前置きが長くなってしまったけど、逮捕からの初めての小説が「メメント・モリ」だ。
メメント・モリ 死を想え 原田さんの、私小説的な内容だ。
友人の死であり、自分の自殺未遂、大震災、不倫相手から裁判をおこされる、そして逮捕と
自分で進んで人生を転がってきたようでもあり、それは避けられなかった人生でもあると思う。

評価としては難しい。原田さんを知らない人が読んでも良く分からないだろう。
物語的な動きがあるわけでもない。

ただ彼が、常に死を意識しているのが分かる。

妹であり作家の原田マハさんの評価がすごく高まっている。
本屋に行ったらマハさんのコーナーが設置してあった。

これからも鬱と共に苦しみながら生きていくかもしれないが
また昔の輝きを取り戻してくれると思う

原田宗典の次回作が楽しみだ。

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